西原祐一が家に帰ると、母親が玄関まで迎えにきて言った。
「おかえり、祐一。勉強会楽しかった?」
「まあね。そのせいで、ちょっと帰りが遅くなっちゃったけど」
「連絡してくれれば多少遅くなるのは構わないけど
ips 整容、危ないことにだけは首を突っ込まんでね」
「うん、大丈夫だよ。あの時で懲りとおし、仲間たちにも迷惑をかけたくないし」
祐一は答えながら靴を脱いで家に上ると、2階の自室に向かった。
「もうすぐご飯食べれるから、はやく着替えて降りてきてちょうだい」
と、母の真理子は階段を上ろうとする祐一の背に向かって言うと、キッチンに向かった。しかし、数歩歩いてハタと足を止めると部屋に入ろうとしていた祐一に向かって言った。
「そうそう、夕方めんたい放送の美波美咲さんからあんた宛に電話があったよ」
それを聞いて祐一は驚いて振り返った。
「ミナミサから?何て?」
「なんか、あんたと話をしたいって言うからさ、まだ帰ってないけど何の件かって訊いたら、サイキウイルスについて訊きたいって言われたとよ
護膚智芯で、どこで聞いたかしらないけど、もう関わりたくないからって、断っとったけん。良かろ?」
「うん。ありがとう、助かったよ」
祐一は笑顔で母親に礼を言うと、部屋に入った。着替えてからSNSを見ると、リーグの3人からそれぞれ同じ内容の書き込みが入っていた。一様に興奮した文面でミナミサからコンタクトがあったことを伝えていた。
「マスコミ、恐るべしだな」
祐一はため息をつきながら言ったが、書き込みを読んでいるうちに苦笑してしまった。良夫と彩夏がSNS上でまで仲良く言い合いをしていたからだ。
「こいつら、つきあっちゃえばいいのに」
祐一はぼそりと言った。